データで見る鳥取

データから考える若者の地元就職について

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県外就職が多いという現状

 近年、鳥取県における若者の地元就職を推進する動きが活発となっています。鳥取県内の高校や大学を卒業してからの進路として、県外就職が多い傾向があり、この傾向が続いている現状があります。

 鳥取県の若者が、県内就職を希望する傾向が強くなることが必ずしも良いこととは限りませんが、今回はなぜ若者が県外就職を選択するのかをデータを基に書いていきます。

地元での就職を希望する割合

 まずはじめに、鳥取県の大学生が地元での就職をどれくらい希望しているのでしょうか。マイナビによる「2020年卒マイナビ大学生Uターン・地元就職に関する調査」の結果を図にしました。

 大学生の地元での就職希望者は、全国の平均で49.8%です。しかし、鳥取県では40.9%と全国平均を下回っています。人によってこの数字を多いと捉えるか少ないと捉えるかは分かれると思いますが、実際の地元就職の割合から考えると多いかもしれません。

 実際には4割の学生が、大学卒業時には地元へのUターンを希望しており、就職活動の時に鳥取県にベクトルを向けてもらえるような企業が多いと地元での就職を増やすことができると考えられます。

県外就職を選んでしまう理由

 なぜ地元での就職を選ばずに県外での就職を選ぶのでしょうか。マイナビの意識調査の結果をグラフにまとめました。

 図より、地元就職を希望しない理由に、「都会の方が便利」というのが38.4%、「志望する企業がない」というのが38.1%、「大手企業がない」というのが20.7%となりました。

 全体的に、現在の若者は都会での「利便性」「企業の知名度」「企業の選択肢」「就職環境の良さ」によって、地元で就職することよりも県外で就職することが良いと考えていると言えます。

 また、若者が県外就職を選ぶ理由に地元では大手企業がないというのが挙げられます。就職するときに、若者が大手企業に何を求めているのでしょうか。

大企業と中小企業に求めるもの

 今日の日本では、従業者が大企業と中小企業に勤めている割合はどうなっているのでしょうか。総務省の2016年のデータによりますと、大企業に勤めている人の割合は、約30%、中小企業に勤めている人は約70%となっています。

 「日本公庫総研レポート」の調査によると、若者が大企業を選ぶ理由は、

企業の大きさや知名度の高さ
世間からの評判 

 を重視して選ぶ傾向にあるようです。
 その一方で、若者が中小企業を選ぶ理由は、

通勤時間の短さや残業の少なさ
転勤の少なさ

が挙げられています。このようなことから、中小企業を選ぶ学生は仕事よりも生活を第一に考える傾向にあると言えるでしょう。鳥取県では、生活に根ざした企業であることが大きな強みになるかもしれません。

最後に

 今回は、鳥取県における若者の就職先のデータを基に、様々な考察をしました。今回は、若者の就活の観点などを紹介しました。今回の記事を通して、地方企業が採用について考えてもらうきっかけになれば幸いです。

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