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鳥取県の失業率

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 近々、学生の「売り手市場時代」の終了や、新型コロナウイルスの影響で、就職難が訪れるなど、働くことに対する不安の声をよく聞きます。中でも「失業率」という言葉は、聞くだけでもネガティブな気持ちになり、不安がより高まるのではないでしょうか。

 そこで今回は、「鳥取県の失業率」に関するデータを見ることによって、「失業率」をより正しく考えるための基礎的な概念について考えていきます。

完全失業率

 まず、完全失業者と完全失業率についての説明をします。

  統計局ホームページによると、完全失業者とは次の3つの条件を満たすものです。

・仕事がなく、調査週間中に仕事ができなかった。

・仕事があれば、すぐ就くことができる。

・調査週間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。

 そして、完全失業率とは、労働力人口に占める完全失業者の割合のことを言います。

鳥取県の完全失業率

 総務省統計局労働力調査より、鳥取県と全国の平成14年から令和元年までの完全失業率の推移は次のようになりました。

 グラフより、鳥取県は全国的にみて失業率がやや低い県であることが分かります。しかし、2017年から2019年にかけては全国平均の推移とは異なり、失業率が上がっています。

 鳥取県と全国の傾向が基本的に同じであることから、鳥取県の失業率は鳥取県の中で起こるミクロの変化よりも、日本全国で起こるマクロな変化による影響で左右されることが予想できます。

 鳥取県だけを見るのではなく、視野を広げて日本全国の変化に敏感になることの大切さが分かるのではないかと思います。

2009年に何があったのか

 先ほどのグラフを見ての通り、失業率が大きく変化したのは2009年だと思われます。どうして失業率が急に上がったのか。いったい何が起こったのでしょうか?

  2009年に失業率のピークを迎えた主な原因として言われているのは2008年にアメリカで起きたリーマンショックです。

 日本はリーマンショックにより東京株式市場、日経平均株価が大幅に値下げするなど、経済的に大きな悪影響が出たのです。その影響が2009年まで続いたのだとされています。しかし、そこからは徐々に回復を見せ、失業率が減少していったのです。

「Think Globally, Act Locally」

 今回は鳥取県の失業率をデータで見てきました。本記事を読んでいただくと分かる通り、失業率というのは日本や世界全体での変化に大きく影響して、都道府県内の取り組みで簡単に変わるようなことではありません。だからこそ、視野をもっと世界に向けるべきなのです。

 「Think Globally, Act Locally」という言葉ご存じでしょうか?「地球規模で考え、足元から行動せよ」という意味です。環境問題に対する有名なフレーズです。

 今回の「失業率」を考える上では、まさにこのような思考が必要なのではないでしょうか。一人でも多くの鳥取県民がこのような広い視野を持って鳥取県から動き出せるようになると、より魅力あふれる未来が訪れると思います。

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