最近では、全国一斉休校や活動自粛として、子どもが家にいる時間が増えたことにより。家事をする時間が増えた家庭が多いのではないでしょうか。
子供が家にいる時間が増えたことで家事をする時間が増えた今、共働き世帯の家庭内における女性の負担が特に増えたのではないかと考えます。
この記事では、共働き世帯の家庭内における女性の負担から、今後の鳥取県に求められている取り組みについて紹介していきます。
日本の共働き世帯の現状
最近では、女性の社会進出の話をよく耳にしますが、どのくらい女性の社会進出が進んできているのでしょうか。1980年頃から2019年までの共働き世帯の数のデータを紹介します。
このデータは、厚生労働省や総務省、内閣府などの調査によって作られました。この調査では、夫婦ともに少しでも収入がある世帯を「共働き世帯」として扱っています。
厚生労働省や総務省などの統計によると、1990年代の半ば頃から共働き世帯数が専業主婦世帯数の数を上回っていることが分かります。それに加え、共働き世帯数と専業主婦世帯数との差は年々開いており、2019年では、共働き世帯数が専業主婦世帯数の2倍以上となっています。
全国的に見ると、女性の社会進出が以前よりもかなり進んできていることが分かります。実は、女性の社会進出は鳥取県でもかなり進んでいるのです。
TOTTORI BUSINESS ONLINEでは、H29年の鳥取県の共働き率について、以前の記事で紹介しました。H29年の鳥取県の共働き率は、全国で7位となっています。
全国平均よりも鳥取県の共働き率が高いことから、鳥取県は全国的に見ても女性が働きやすい環境となっているのではないかと考えられます。 鳥取県の共働き率について興味のある方は、ぜひ、下の記事をご覧ください。
育児や家事に対する女性の負担
女性の社会進出が進むにつれ、社会での女性と男性の格差が以前よりも小さくなりつつある中、家庭内での女性と男性の間には、今でも隔たりがあるようです。
その隔たりの中で一番大きなものと言えるのが、家事と育児にかける時間です。2016年の総務省統計局の社会基本調査によると、共働き世帯において夫婦の家事・育児にかける時間は、女性が一日当たり4時間54分、男性が一日当たり46分となっています。
この一日に女性が家事や育児にかける時間は、男性の約6.4倍となっているのです。
また最近では、子どもが家にいる時間が増えたことにより、女性が家事や育児にかける時間は2016年の調査時よりも多いことが予想されます。
この問題は、家庭内での家事・育児の分担などの話合いで解決するのは中々難しいのではないかと考えます。国や県、市町村などが支援策を行うことで、家事や育児の女性への負担が軽減されやすくなるのではないかと考えます。
鳥取県の取り組み
鳥取県は「子育て王国」と言われるほど、子育て支援に力を入れています。ここでは、鳥取県が実際に行う子育て支援をいくつか紹介していきます。
新しい子育て支援策(予算総額は3億円)
・不妊治療に対して、夫婦に求められていた条件を撤廃、不妊検査費の内の保険適用外の費用を全額助成
・35歳未満の妻の人工授精の費用を7割助成
・私立高校就学制度において、施設整備費を生活保護世帯は全額、年収270万円未満の世帯は2分の1を助成など
上記以外にも、たくさんの支援が行われます。
とっとり子育て応援パスポート
・飲食店や商店で商品等の割引サービス
・お買い物ポイントの加算
・店舗等での子育て情報の提供
その他にも、協賛店での授乳室の利用などの支援が行われます。
とっとり子育て応援パスポートの詳細はこちら
様々な預かり支援策
・一時預かり:保護者の病気や学校行事への参加、冠婚葬祭などの理由で保育ができない場合、保育所や認定こども園で一時的に保育を行う
・休日保育:保育所が閉園する日曜日、祝日にも開園して保育を行う
・ショートステイ(短期預かり):保護者の病気や出産、家族の看護、出張や事故等で数日間にわたって子供の保育ができないときに、児童養護施設や乳児院等に宿泊を含めて子供を預けることができる。
上記以外にも、様々な預かり支援策が行われています。預かり支援策の詳細はこちら
ここで紹介してきた以外にも、たくさんの子育て支援策があります。子供を育てていくことにおいて、商品等の割引や子供の預かり支援などはとてもありがたいことであると考えます。
しかし、この記事でも紹介した家庭内での女性の負担を減らすような取り組みにおいては、まだまだ少ないように感じます。
新型コロナウイルスの影響により、直接的に家庭内での女性の負担を減らすことが難しい今、間接的に家庭内での女性の負担を減らす取り組みを行うことが「子育て王国」と言われる鳥取県に求められていることなのではないかと考えます。