次世代

鳥取の大学に進学した鳥取出身の僕が感じること

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物心ついた時から鳥取に

 初めまして。鳥取の大学に通っている現役大学生です。今回は生まれも育ちも鳥取の私が、学生ならではの視点からみた鳥取県での暮らしについて、私の体験談を交えながら語っていきたいと思います。鳥取の学生が何を考えて生活しているかということを、少しでも知っていただけると嬉しいです。

自己紹介

 本編に入る前に少し自己紹介をさせて頂きます。冒頭で生粋の鳥取県民と言っていたのですが実は厳密に言うと少し違います。私は鳥取県で生まれて、その後しばらくは県外(中四国地方)で暮らしました。

 4歳か5歳の頃に鳥取県鳥取市に戻ってきてそこから大学までずっと鳥取市で暮らしています。大学までは汽車を使い、実家から通学しています。物心ついた頃の記憶はずっと鳥取市での記憶なので、今回は生粋の鳥取県民ということで話をさせて下さい(笑)。

思い返せば自然に触れていた保育園から小学校の頃

 この頃の記憶は正直あまりありません。なんとか記憶を辿ってこの記事を今書いています。このころの出来事で特に印象に残っているのは、毎シーズン雪がたくさん降っていたということです。これはもちろん私の住んでいた地域のことしか分からないのですが、このころは毎年兄弟でかまくらや雪だるまを作ることが恒例行事でした。

 最近では雪を見る機会もめっきり減ってしまったように感じます。私が今、この記事を書いている2020年の年始も暖冬だと言われ、全くと言っていいほど雪が降っていません。毎年雪が降って、友達や兄弟で雪遊びをすることが楽しみでたまらなかったので、とても残念です。これも近年騒がれている温暖化の影響かもしれません。

 先程、冬は毎年雪遊びをしていたと言いましたが、自然豊かな土地であるため、すこし移動すれば田んぼや川などが多くありました。しかし、僕が小学生の時はWiiやDSが流行っていて、外遊びとゲームが半々くらいでした。それでも今思えば、川で魚やカニをとったり、家の近くの用水路でホタルをみたりと、小さい頃にかなり自然に触れていたと思います。

 今ではすっかり水質が変わってしまったのか、気候が変わってしまったのか分かりませんが、家の近くの用水路でホタルを見ることもなくなってしまいました。

 また、最近の子どもたちは小さい頃からYouTubeを見る機会や、ゲームをする環境が以前より格段に整っているからか、めっきり外で遊ぶことが減ってきているように感じます。駅前でも近所でも、外で遊ぶ子供を見る機会が少なくなってるからです。

中学から高校の頃

 この時期になると部活や勉強が意外と忙しく追われていたので、小学校の頃ほど遊べなくなりました。しかしそんな中、遊ぶとなれば大体いつもすることは決まっていました。

 鳥取は中高生が遊べるようなところがあまり多くなかったと言うこともあり、普段は、カラオケに行くか、イオンや鳥取駅近辺のお店に行くか、地元のボーリング(ROUND1は鳥取にはないのでもちろん地元のボーリング場)に行くか、友達の家で遊ぶかの4択でした。

 それでも毎日楽しく過ごせたので満足しています。 そして、中高生になって立ちはだかるものといえば受験ですよね。私もこの鳥取という田舎で高校受験、大学受験を経験しました。

 幸いにも私には東京の高校に通っている従兄がいるので、都会での受験も少しはどのような感じか分かっていると思います。そのことを踏まえ、地方と都会の受験での違い、今回は特に大学受験のことについて話していきたいと思います。

大学受験の時に感じた「情報格差」

 私は、あまりまじめな生徒ではありませんでした。その結果、本腰を入れて受験勉強をするのが二年の冬ごろになってしまいました。はじめは、近くの塾に通ってみたり、学校の予習復習をまじめにしてみたりといろいろ頑張ってみました。しかし、思うようには成績は伸びず焦っていました。

 そこで東京の高校に通っている従兄にいろいろと相談してみることにしました。そこで痛感したことは、塾や学校は勉強を教えてくれるが、勉強のやり方までは教えてくれないという事です。

 もちろん教科によっては教えてくれる先生もいましたが、いつどのような時期に、どのような教科を、どのような参考書を使って、どのような分量するのかというようなことまで教えてくれる先生はいませんでした。

 地方と都会の差は、このような「情報の格差」にあると私は思いました。都会には、鳥取などにはない大手予備校などがあります。このことから、田舎では受験の情報に乏しくなりがちです。

 そのため、受験生の多くが何を勉強すればよいのかわからないといった状況に陥ることが、私の周りでもよく見受けられました。このようなことを経て、「受験は情報戦」というように考えるようになりました。

 しかし最近、これは何も受験だけに言えることではないなと感じるようにもなりました。つまり、これから私にも待ち受ける就職活動などにも言えるのではないかということです。

 しかし、今はスマホやPCで膨大な情報を得ることができます。これからは得た情報を自分の中でどのように咀嚼するかということが大事なのかもしれないと気づいた高校生の私でした。

大学に入学して

 私は、鳥取の大学に進学しました。私が通っている大学は、県内出身者が20%未満と、県外出身者がほとんどを占めています。その中でも特に、関西圏の出身者が多かったです。そのため、大学構内の公用語は関西弁となっています(笑)。

 大学では初めて鳥取に来たような学生がほとんどで、自分とは違った環境で育ってきた人ばかりでした。私の友人も県外出身者がほとんどです。そんな彼らは鳥取に来て始めこそ何もないと嘆いていましたが、そのうち生粋の鳥取県民である私でも知らないようなお店や温泉を知っているまでになっています。

 鳥取県内生ほど、「鳥取には何もない」と諦めて何も探そうとせず、意外と県外から来た人達の方ほど、鳥取の魅力を知っていることが多いのです。少し情けない気もします。

最後に

 鳥取にはまだまだ魅力的な場所がたくさんあります。私も最近大学生になって様々な魅力ある場所を知ることができました。しかし、意外と鳥取出身の学生の方が鳥取に関心がなく、県外の魅力ばかり見てしまっていることが多いように感じます。実際、高校生の時の僕がそうでした。

 鳥取なんか何もないから、早く県外の大学に行きたいとずっと思っていました。(とは言いつつ、今は鳥取の大学に進学してよかったと思っています)現在、人口はどんどん減り、東京などの都会への一極集中が進んでいく中で、わざわざ鳥取を選んで進学してきた県外出身の学生たちに、「もっともっと鳥取を好きになってもらいたい!」と、地元が大好きな僕は思います。

 鳥取の魅力は、自然や食べ物だけじゃなくて、人や企業にもあるのだということを、ここ最近知ることが多くなってきました。学生はスマートフォンを屈指して、様々な情報にアクセスしています。就職先についても、インターネットを介して企業の情報を集めることも多くなってくると思います。

 TOTTORI BUSINESS ONLINEのようなメディアに、鳥取の人や企業が情報を公開することで、本来知るはずのなかった企業を知る学生が現れるはずです。ぜひ、僕の友達や後輩、そして僕のためにも、会社や人の魅力をもっと発信する鳥取県になれば良いなと思います。

プロフィール

氏名:非公表

所属:鳥取の大学生(現在大学1年生)

経歴:県内の小中高を経て、鳥取の大学に進学。現在、TOTTORI BUSINESS ONLINEに関わっている。

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