今回はブランド総合研究所が行った「第2回都道府県版SDGs調査2020」での指標をもとに、鳥取県が特に優れていた観点について考察していきます。 初めにブランド総合研究所の「第2回都道府県SDGs調査2020」について紹介します。
実施方法・目的は以下ように紹介されています。
居住都道府県の持続性についての住民による評価と、必要だと考える活動(SDGsの17ゴール)のほか、住民が感じている「悩み」、「地域への不満」について全100項目と、幸福度や定住意欲度、満足度などからなる調査を都道府県の住民を各350人、計約16,000人の回答を集めて実施。
都道府県別に数値化したもので、日本の地域が直面している課題を明らかにし、それに取り組むことで住民の満足や幸福感を高め、地域の持続性を高めることを目的として調査を実施しています。
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このような調査概要を理解したところで、次項から実際の指標について数字を含めて見ていきましょう。
幸福度
「あなたは幸せですか?」という設問に対し、「とても幸せ」、「少し幸せ」、「どちらでもない」、「あまり幸せではない」、「全く幸せではない」の解答に100点、75点、50点、25点、0点の配点となっています。
鳥取県はこのランキングで6位でした。前年は26位で、大幅に順位を伸ばしています。全国的にみると「とても幸せ」の割合が1.1%減少しており、新型コロナウイルスの影響が感じられます。
また、新型コロナウイルスの感染者が少ない鳥取県と岩手県の順位が前年と比べ大幅に上がっていることから、感染者数や予防対策などが人々の幸福度に影響を与えている可能性も考えられます。
定住意欲度
「(あなたの居住している)都道府県に今後も住み続けたいと思いますか」という設問に対し、「ぜひ住み続けたい」、「できれば住み続けたい」「どちらでもない」、「機会があれば他県に移住したい」、「すぐにでも他県に移住したい」の解答に100点、75点、50点、25点、0点の配点となっています。
鳥取県はこのランキングで17位でした。前年は42位で、大幅に順位を伸ばしています。東京が前年と比べて大幅に順位を落としています。
このことから、東京の一極集中に歯止めがかかる兆しと考えることができます。その点、鳥取県は子育て支援・自然の充実の認知が広がってきています。
また、以前から課題であった働き口のボリューム・バリエーションの少なさもリモートワークの普及により、解決の兆しが見えてきています。このような魅力が県外に目を向けがちな若者にもっと伝わっていって欲しいです。
持続度
持続度は以下のように定義すると紹介されています。
幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度という4つの指標の平均を算出し、地域の「持続度」としてスコア化した。生活に満足し、幸せに感じ、その地域に愛着があり、住み続けたいと思う住民が多ければ、その地域は持続していく(消滅しない)はずだという考えに基づいている。
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鳥取県はこのランキングで11位でした。前年は44位で、大幅に順位を伸ばしています。これは、幸福度と定住意欲度の大幅な上昇が影響していると考えられます。
この結果から、全国的にみても鳥取県民は鳥取県が魅力ある県であると考えている人が多いことが分かり、県内の人に魅力がしっかりと伝わってきていると言えます。
このような指標から、アフターコロナにおける地方のロールモデルとして、鳥取県が、持続可能な地域社会を築いていくビジョンが少し垣間見えました。
また、この調査は2020年6月12日~6月29日に実施されたものです。新型コロナウイルス流行後においての住民の各都道府県に対する評価がわかる貴重な資料なのではないでしょうか。ぜひ他の都道府県や指標に関して見てみて下さい!