高齢化社会の定義
「高齢化率」というのは、その社会の総人口に対する高齢者人口の割合を指す言葉です。0~14歳を年少人口と言い、15~64歳を生産年齢人口、65歳以上を高齢者人口と言います。
一般的に高齢化社会の定義は高齢化率が7%以上であると高齢化社会、14%以上であると高齢社会、21%以上であるされています。
現在の日本は、高齢化率が全国平均30%を超えているため超高齢社会と言われています。高齢化社会になると、様々な面で問題が出てきます。
鳥取県の高齢化
鳥取県は、地方であるため高齢者が多いとイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。町を歩いていると、出会うのは若い方よりも圧倒的に高齢の方が多いという地域が、少なからずあると思います。
では、普段、鳥取県の町を歩いているときに合う人のなかで高齢の方はどれくらいの割合なのでしょうか。総務省のデータを参考に見てみると、
鳥取県の高齢化率は、31.6%となっています。つまり、出会う人が10人いたとすると、その内3人は高齢者であると言える数値です。
このデータは、鳥取県全体における数値であるため、地域によっては更に高い割合となっている場所もあります。
高齢化率で見れば全国平均と大きな差はなく、鳥取県の高齢化は深刻ではないように思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、鳥取県は人口最小県であり、約56万人しかいません。
鳥取県の総人口の約3割を高齢者が占めている今の状況は、鳥取県の経済の視点から見ると、とても大きな問題であると言えます。
平成30年の時点で、鳥取県は全国平均を上回っています。日本の高齢化率が高い都道府県を順番に見ていくと、鳥取県は全国で15位です。
近年、鳥取県では、総人口が少ない上に若者が都会に流れていく現象が問題視されており、全国で高齢化率が15位だということに驚かれる方もいるかもしれません。
高齢化対策
鳥取県の高齢化率が抑えられている原因として考えられるのは、子育て世帯の支援に力を入れているということです。「子育て王国とっとり」と言われるほど、子育てに対する支援に力を入れているため、子育て世帯を中心に注目を集めています。その結果、「高齢化に良い影響を与えることができているのではないか」と言うのが私の考えです。
また、鳥取県の高齢化率を抑えるために行われている取り組みとして、若者の鳥取県就職を支援する政策があります。この政策は以前、TOTTORI BUSINESS ONLINEでも取り上げましたが、対象の業種で鳥取県に就職をすると奨学金の助成制度が受けられる取り組みです。
このように、若い世代をターゲットにした取り組みが、高齢化率の上昇を少しでも遅らせる効果があるではないでしょうか。
負のスパイラル
高齢化が進むと、年金制度や介護の問題が出てきます。また、交通インフラの問題や、地域自治の問題も生じます。
また、政策が年金制度や介護についての対策に重点を置くようになるのです。その結果、若者を支援する政策が後回しになっていく未来が考えられます。
このような負のスパイラルが、高齢化を加速させていくと、考えることもできます。
ここで、私が言いたいのは、年金制度や介護の問題を解決するための取り組みが悪いということではありません。高齢化によって引き起こされる問題の解決に重点を置くようになるということが問題なのではないかということです。つまり、制度の高齢化が鳥取県における高齢化を加速させる要因になっていると考えています。
私が思う「制度の高齢化」とは、若い世代よりも高齢の方にとって魅力的な政策に力を入れていくということです。
高齢の方に魅力的な制度に重点を置くと、高齢の方がそれを求めるようになり、更に高齢化を加速させていくと言えます。これが、私の考える負のスパイラルです。
そのため、若い世代に魅力的である鳥取県就職を支援する政策や子育て世帯を応援する取り組みを更に増やすべきであると考えています。
バランスを意識することが大事。これは、どんなことにでも当てはまると言えるでしょう。現在、高齢者に対しての取り組みが若い方に対しての取り組みよりも多い気がします。
地域の交通インフラ、介護支援など地域住民の豊かな成長を求め、若い世代が本当に住みたいと思える魅力的な地域になるために、鳥取県が何をやっていくべきか、考えていく必要があると思います。
一つの提案として、鳥取県で進む高齢化によって生じる負のスパイラルが生まれていかないように、若い世代にフォーカスした取り組みを増やすことが一つの方向性としてあると思いこの記事を書きました。
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