データで見る鳥取

鳥取県の可住地面積は全国で46位

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鳥取県が人口最少である理由を考える

 皆様もご存じの通り、鳥取県の人口は全国で最下位です。このことに対して、「鳥取は魅力がないから」や「交通の便が悪いから」など、つい悪い側面から考えてしまうかもしれません。

 しかし、「食のみやこ鳥取」や「子育て王国とっとり」、「星取県」、「カニ取県」、挙げようと思えばきりがないほどの魅力を持っている鳥取県。交通の便が悪いといっても、関西の都市部にも非常に近い地理にあります。

 ついつい負の面として使われがちな「人口最少県」ですが、人口が少ないことと、県の魅力が少ないことは必ずしもイコールとは限りません。そして、鳥取県の人口が少ない理由はどこにあるのか。今回はそのようなことを考えるきっかけとなるようなデータをご紹介します。

 タイトルにもある通り、結論から申しますと鳥取県の可住地面積は全国で46位です。ご存知だったでしょうか。可住地面積とは何か、低いからどうなのかについて考えていきます。

可住地面積とは

 可住地面積とは、対象地域(今回でいうと都道府県)の総面積から、林野面積(森林面積+草生地面積)と主要湖沼面積を差し引いた面積のことです。  

 面積がいくら広い都道府県でもほとんど山や湖などでは多くの人が住むことはできません。つまり、可住地面積こそが、人の住むことができる範囲を示していることになります。

 鳥取県を可住地面積という指標を使って見ていきます。

鳥取県の可住地面積

 次に示すグラフは総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた2019」から可住地面積をランキングしたものです。可住地面積のデータ自体は2017年のものです。

 上のグラフを見て分かる通り、鳥取県は全国で面積が最も小さい香川県よりも可住地面積が小さく、全国で46位です。

 鳥取県の人口が少ないことは、そもそも人が住める面積が少ないことが強く影響しているのかもしれません。そして、これは決して悪いことだとは言えません。

 自然の多さは、建設以外の土地活用に幅があると言えるのです。むしろ、可住地面積の小さい鳥取県に必要以上の人口増加が起こり、住宅地確保のための平地化や森林伐採が行われてしまっては、鳥取県の魅力が消えてしまう可能性があるのです。

 鳥取県は人口が少なく、可住地面積も少ないです。しかし、決して県としての面積が小さいわけではありません。つまり、可住地以外の自然を活かすことこそが、鳥取県の魅力を最大化していくはずです。

大事なのは鳥取県の人口減少を止めること

 以上の事から鳥取県の人口が少ないことは必ずしも悪いことではないということをお伝えしました。しかし、ここで注意していただきたいのは、人口が少ないことよりも人口が減っていく現状に問題視していくべきではないかということです。

 中でも特に問題視すべきことは、若者の流出ではないでしょうか。自然や子育て支援などたくさんの魅力がある鳥取県で育ってきた子どもたちが、鳥取県の魅力を他県に広げていかないのはもったいないことです。

 「Uターン支援」や「奨学金助成制度」など、「鳥取に残りたい」あるいは「鳥取に戻りたい」と鳥取の若者たちが思うような魅力的な制度を、今後更に増やしていくと良いのではないかと思います。

 TOTTORI BUSINESS ONLINEでも「他県にあって鳥取県にはないような取り組み」や「他県にも鳥取にもある取り組み、鳥取にしかない取り組み」を発信していきます。

最後に

 鳥取県の人口の少なさをつい魅力の不足と捉えていた方にとっては、人口の少なさを捉える上で、可住地面積という視点を持ったいただけたのではないかと思います。

 改めてにはなりますが、大切なことは人口を増やすことではなく、人口減少を食い止め、子育てがしやすく戻って来たい鳥取県を作っていくことかもしれません。

 一度外へ出てしまった、鳥取県出身の若い世代の中には、また鳥取に戻って来ようか迷っている方が確実にいます。彼ら、彼女らを引き付ける魅力づくりから始めていくことが良いのかもしれません。

参考サイト

都道府県市区町村 データと雑学で学ぼう遊ぼう

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