データで見る鳥取

鳥取県における自家用車の普及率

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 皆さんのご家庭は、自家用車を何台持っていますか?鳥取県は雨が多い日本海気候であるため、買い物に行くのにも車があると便利です。県外から来た私が鳥取県に来て感じたことは、家の敷地内に置いてある車の数が多いということです。  

 車の所有数が多いのには何か理由があるのではないかと考え、鳥取県の自家用車の普及率を調べました。この記事では、自家用車の普及率から考察した鳥取県の状況を紹介していきます。

鳥取県の自家用車普及率

 鳥取県の自家用車の普及率を見るため、自動車検査登録情報協会の平成25年から平成31年までのデータをまとめました。

 グラフを見て分かる通り、鳥取県は車の普及率が全国の平均よりもかなり高くなっています。さらに興味深いのは、鳥取県の自家用車の普及率の傾向は全国の傾向とは真逆であるということです。

 全国的に見ると、平成25年から平成31年までは減少傾向にあります。特に、平成29年から平成31の間の減少率は大きくなっています。

 しかし、鳥取県では平成25年から平成31年までは増加傾向にあるのです。それに加え、全国では、平成29年から平成31の間の減少率は特に大きくなっている一方、鳥取県ではその期間の増加率がかなり大きくなっています。

なぜ鳥取県は自家用車の普及率が増加傾向なのか?

 なぜ鳥取県の自家用車の普及率が上昇しているのかを見る前に、全国的に自家用車の普及率が減少傾向にある理由について見ていきます。

全国では自家用車の普及率が減少傾向

 全国で自家用車の普及率が減少傾向となっている原因は2つあると考えます。それは、高齢者の免許返納率の上昇交通の便の発達です。

 高齢者の免許返納率はここ数年で、かなり高くなっています。これは、ここ数年で高齢者による事故の報道が増えたことにより、家族による心配や自主的に返納しようとする動きが影響していると考えられます。  

 交通の便の発達は、都市化が進む現在では特に顕著に見られます。それによって、通学や通勤に自家用車ではなく、公共交通機関を利用している人が増加しています。また、土地の価格の上昇などによって、車の維持費が高額となり、車を持たない人が増えているのです。

鳥取県では自家用車の普及率が増加傾向

 全国的にこのような動きがある中で、鳥取県の自家用車の普及率が増えている原因は、鳥取県が車を持っているのを前提とした生活形態になっているということです。

 私自身、鳥取県は車を持っていないと生活するのが大変であると感じます。買い物やお出かけ、通勤・通学など立地によっては車でしか行くことができない所があるのも事実です。

 また、鳥取市では昨年末に、廃線となる予定の路線バスを前倒しして発表しました。移動手段として車を前提とした鳥取県において、公共の足を失うと困るという人はたくさんいると予想できます。

 特に、免許を返納した高齢者にとって、公共の足を失うことは大きな痛手となります。2018年の警察庁の統計によると、鳥取県の75歳以上の免許返納率は全国で13位となっています。

 しかし、路線バスの廃線などが今後さらに増えると、高齢者の免許返納率が下がってくると考えられるのです。その結果、さらに鳥取県の自家用車普及率は増加していくと考えらえれます。

最後に

 この記事では、鳥取県の自家用車普及率について紹介しました。現在、都市部などでは交通の便の発達で自家用車を持つ人は減少傾向にあります。

 前述で紹介した通り、鳥取県の交通の便は発達しているとは言えない状況です。廃線となる路線バスがあるなど、公共の足を守っていくことが今の私たちにとっての大きな課題となっています。

 この記事が、皆さんにとって、公共の足を維持していくことについて少しでも考えるきっかけになればと思っております。

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