【旬刊政経レポートとのコラボ】
月に一度、旬刊政経レポートと記事交換をするコラボをさせていただいています。第五回目は「NPO法人なんぶ里山デザイン機構」についての記事を掲載させていただきます。
NPO法人なんぶ里山デザイン機構
NPO法人なんぶ里山デザイン機構(西伯郡南部町浅井九三八、毎川秀巳理事長)の取り組みが注目されている。
同法人は5年前に設立。南部町と共同で「里山」というロケーションを活かし、町の内外を対象に様々なコンテンツを運営している。
なんぶ里山デザイン機構の板持照明事務局長によると、同法人は、移住・定住促進、無料職業紹介、ふるさと納税受託事業、里山の魅力を広く発信するなんぶ里山デザイン大学という大きく4つの取り組みをしている団体だという。
移住・定住促進の取り組みでは、空家をリノベーションし、町外、県外から移住者を誘致。里山暮らしに不可欠な地域住民との交流や暮らしに関するサポートも行い定住を図るというものだ。さらに2つ目の取り組みとして、移住者、町内の求職者に無料で仕事の紹介なども行っているという。
ふるさと納税受託事業では、地域の柿や梨などの特産品をふるさと納税の返礼品としてパッケージするだけでなく、PRなどトータルで運営している。
そして4つ目が「なんぶ里山デザイン大学」。
自然や、そこに暮らす人の技術など、実体験を通して学ぶ里山デザイン大学は、老若男女問わず生涯学び続けることができる人気のコンテンツだ。
「コロナの影響で少しの期間止まっていたものもありますが、都会での感染リスク、地震や津波、豪雨災害を懸念して、安全で静かな当地で暮らしてみたいという問い合わせが増えています。また、デザイン大学の講座もオンラインを活用した取り組みを、まもなく開始します」と板持事務局長。
ロケーションの良さだけでなく、安心安全という観点でも人気の場所になりつつあるようだ。また、子育てをしやすい環境づくりも町をあげて取り組んでおり、その成果もあり近隣の米子市などからの移住者も増加しているとのこと。
「自然豊かということもあり、南部町は西日本で唯一、町の全域が環境省の『生物多様性保全上重要な里地里山500選」に指定されています。今後、虫や生物なども活かした取り組みや、学びのコンテンツも充実させていきたい」。
今後このほかにも、これまでスポットを浴びていなかった様々な地域資源が、この里山からは生まれてきそうだ。
田舎暮らしブームに乗り都会から移住、田舎暮らしに夢見るシニアは多いが、中々上手くいかない例も多い。 そんな中、同法人が住環境の整備から受け入れのケア、さらに学びのコンテンツや仕事の創造などに寄与しているからこそ、移住定住者が安心して田舎暮らしを楽しめる。その仕組みがしっかりと出来上がっていると感じた。