事例

地域におけるIoT/ICTの実装事例

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IoTとは

 IoT(Internet of Things)とは、モノがインターネットにつながることで、モノから情報を得ることができるようになり、モノから使用者へ最適な情報が提供されるサービスのことです。

 自動車の分野では、自動運転システムによって自動車の基本操作が自動的に行われます。医療分野では、自分の健康状態を医師との共有や記録することが楽になります。また、健康状態が悪化した時に注意のアラートを出すデバイスもあります。このように、IOTは私たちの生活をより良いものにしてくれます。

地域におけるIoT/ICT実装の課題

 現在、IoTは私たちの生活に少しずつ浸透してきています。生活を更に良いものへと変えるには、地域全体での普及が大切であると考えられます。しかし、地域にIoTを普及させるときには、様々な課題があると考えられます。

 総務省の調査によると、予算面や人手不足の面、知識不足が地域でのIoT/ICT実装の課題の大部分を占めています。

 予算の面では、IoTへの投資などから財政が厳しくなるということが挙げられます。また、人手不足の面では、他の分野でも人手不足になっているため、IoTを地域に浸透させることを担当する役職に人を回すことができないということが挙げられます。

 知識不足の面では、IoT/ICTが地域に普及することで、もたらされる影響やIoTをどういった方法で普及させていくのか、イメージが湧きにくいということが挙げられます。

 一方で、地域の状態による課題も挙げられます。IoTを普及させる地域のインフラが老朽化している場合や少子高齢化、公共のサービスを利用するのが困難な方々への対応などが課題として考えられます。

 このことから、IoT/ICTを地域に普及させるのには多くの課題があることが分かります。しかし、IoT/ICTを地域全体に普及させると様々な利点があることも確かです。

 例えば、地域の人手不足や、生産性の向上、単純作業の削減、データ収集などが挙げられます。

鳥取県でのIoT/ICT実装例

 これまでに実際に鳥取県でIoT/ICTが実装された例を紹介します。

鳥取県矢頭町(2019)

 地域の児童たちが、自分の住んでいる地域に隣接した歴史資源や自然資源などについて学びます。学んだ内容を子供たちが、自分たちで各地域の観光資源の地図にスマホを使って、観光マップを作っていきます。

 これによって、地域の子供たちから発信されたユニークなマップとなり、観光資源の情報を発信します。

鳥取県米子市(2019)

 米子市では、IoTを子育てに取り入れました。保護者からの保育所への様々な意見や希望をデータとして集め、保育所への入所選考を早くきめ細やかに行うことを目的としました。

 これによって、保護者の満足度向上や職員の人件費削減を図りました。

鳥取県境港市(2017)

 近年急増している外国人観光客によって、クルーズ船や米子空港の利用が以前よりも増加しています。この外国人観光客が良く利用する交通手段の利用を更に快適にするために、モデルルート情報や周遊計画の支援ツールなどの整備に力を入れました。

 その結果、増加した観光客の行動データを収集し分析することによって、インバウンド周遊施策へとつなげる取り組みが行われました。

全国のIoT/ICT実装例

 IoT/ICTの実装は日本全体で行われています。これまでに行われた全国のIoT実装例の一部を紹介していきます。

長野県駒ケ根市(2016)

 駒ケ根市では、ビッグデータを農林水産業の生産性の向上や付加価値の増加を図るシステムに活用しました。熟練農家の技術やノウハウをデータ化し、一般の農家も活用できるシステムやGPSなどを用いてトラクターの自動運転の実現、ロボットセンサーなどを導入して、樹木の位置や種類を把握する取り組みが行われました。

沖縄県(2016)

 生産・加工・販売工程にIoTを取り入れました。これらのプロセスにおいて、各事業者を一体化することで付加価値を生む取り組みや顧客データの分析による収益性の改善やデータの利活用、情報発信を促し地域ビジネスの活性化を実現する取り組みが行われました。

北海道天塩町(2016)

 天塩町では、過疎地域の交通手段が大きな課題とされていました。その課題を解決するために取り入れられたのがIoTです。ある場所まで移動する予定のある車の情報を交通手段がなく困っている人に提供する仕組みです。

 車に乗せてもらう側は、ガソリン代を運転者に支払うことによって、経済合理性と高利便性のある優れた移動インフラの構築が行われました。

鳥取県のIoT実装状況

 上のグラフは、総務省のデータを基にIoT実装状況における鳥取県と全国の平均を比べたグラフです。グラフより鳥取県では、全国と比べてIoTの実装状況が高いことがわかります。

 Iotの実装が何を指すのかということは考慮する必要はありますが、鳥取県が全国平均よりは高いということは知っておくと良いかもしれません。

 IoTの普及で、鳥取県で暮らす人々の生活がより便利なものになることは、いいことだと思います。また、それらの取り組みに更に力を入れることで、鳥取県に新たなビジネスの市場が生まれるかもしれません。

鳥取県の企業が魅力的になるために

 Iot/ICTの実装は、行政だけでなく企業にとっても大きなテーマになります。若い世代に企業の挑戦の姿勢をアピールする上で、「テクノロジーに投資している」ことは、一つの強みになります。

 実際に、鳥取県での就職を希望しながらも、IT事業に取り組む企業の少なさから鳥取就職を諦めた人は存在します。IT企業でなくとも、社内にIT部門を設置するなど、挑戦することで若い世代の採用につながるかもしれません。

 鳥取県が全国に先駆けて、人口減少に直面します。ITを活用した、先進的な事例の創出に取り組むことができれば、鳥取県全体がより魅力的になるかもしれません。

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