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新型のコロナウイルスがもたらす鳥取県のジレンマ

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 「人との間隔を1m以上は取りましょう。」「お花見や人が集まるところに行くのは自粛してください。」

 政府は東京オリンピックを延期することに決定しました。

 このような言葉を聞くようになったのは、今、巷を賑わせている新型のコロナウイルスの影響が原因です。

 この新型のコロナウイルスの正式名称は、”COVID-19(coronavirus disease 2019)”と言われています。

 新型のコロナウイルスによって、活動の自粛が呼びかけられている中、国には国の、政府には政府の、鳥取県には鳥取県のジレンマがあるように感じます。

 突然現れた得体の知れないウイルス。このウイルスによって、大きなジレンマがうまれてしまっています。

新型のコロナウイルスの猛威

 世界中に猛威を振るっている新型のコロナウイルス。この新型のコロナウイルスの症状は、人によって様々であると言われています。WHOと中国の合同専門家チームが、中国で確認された5万件以上の症例を基に報告した症状が以下の通りです。

  • 発熱(86.9%)
  • 乾いた咳(67.7%)
  • 倦怠感(38.1%)
  • 痰(33.4%)
  • 息切れ(18.6%)
  • 喉の痛み(13.9%)
  • 頭痛(13.6%)
  • 筋肉や関節の痛み(14.8%)
  • 悪寒(11.4%)
  • 吐き気や嘔吐(5.0%)
  • 鼻づまり(4.8%)
  • 下痢(3.7%)
  • 喀血(0.9%)
  • 結膜充血(0.8%)

 発熱や咳、息切れ、呼吸困難など、主に呼吸器官に関わる症状が多いようです。感染者の8割は症状が出ないことや軽い症状で済むと言われています。

 しかし、残りの2割の人は、重症になるようです。感染の初期段階では、軽い症状でも数日後に息切れなどの重症となることがあります。

 このウイルスの怖さは、症状の進行する早さです。通常、新型のコロナウイルスに感染すると症状が2週間程度続くと言われています。しかし、重症となった場合は、3~6週間症状が続くと言われています。

 そのため、新型のコロナウイルスによって亡くなる方は、症状が出始めてから2~8週間後に亡くなることが多いようです。

 症状がより重症化しやすいのは、若者よりも高齢者の方であると言われています。ここで注意して頂きたいのは、若者でも重症化するリスクがあると言うことです。

 特に今、日本で問題となっているのは、軽い症状で済むことが多い若者が出歩くことでウイルスの感染を広めていることでしょう。ウイルスに感染した若者が外で移動すると、ウイルスも同じように移動していきます。

  そうした流れによって、若者から高齢者にウイルスが移る事例が増えてきているようです。この時期、高齢者の多い場所へ行くのは、なるべく避ける方が良いでしょう 。

コロナウイルスを逃れるように鳥取県を訪問する人たち

 新型のコロナウイルスの影響によって現在、鳥取と東京間の空の便の本数を減らすなど、様々な動きがあります。そんな中、鳥取県を訪れている人が増えてきている事実があるようです。

 東京や大阪など日本各地で外出を控える流れが続いています。外出自粛ムードが続く中、“自粛疲れ”と言う言葉を耳にすることが増えてきました。

“自粛疲れ”とは、新型のコロナウイルスによって、消費や外出などを自粛することでストレスが溜まる状態のことです。

 その“自粛疲れ”の要因もあり、人込みを避けて外出する人が増えています。 3月末の時点で、感染者が一人も確認されていない鳥取県は比較的安全な場所であると認識され、訪れている人が増えているのではないでしょうか。

鳥取県の高齢者率

 鳥取県を訪れる人が増えることは、鳥取県にとっては非常に喜ばしいことです。しかし、今の状況を踏まえると全面的に喜ぶことはできないと言えます。それは、鳥取県の高齢化率が全国平均よりも高いからです。下の表は、総務省のデータをまとめたものです。

 鳥取県は平成30年の時点で、高齢化率が31.6%と全国平均の30.1%を上回っています。鳥取県は10人の内3人以上が高齢者であるため、街に出ると高齢者に出会う確立が少し高くなっています。

 そのため、鳥取県で新型のコロナウイルスが蔓延すると、重症化する患者の増えるリスクが高くなることは確かです。重症化する患者数が増えると、病床数が足りなくなる恐れもあります。

 今の日本は、イタリアなどに比べて病床数は足りていますが、感染した場合、重症化する可能性が高い地域でウイルスが広がってしまうと、病床数などの問題が表れ医療体制が崩壊してしまうかもしれません。

鳥取のジレンマ

 このような事からも、極力外出を避けることが、新型のコロナウイルス蔓延への対策としては一番良い方法であると言えるでしょう。

 しかし、ここで難しいのが経済に関わる問題です。もし、全ての鳥取訪問者がいなくなると、鳥取の飲食店や観光業を営む人たちにとっては、大きな打撃となります。

 一概に鳥取県に来ないでくださいとは、言えない状況でもあります。これが、鳥取県が抱えるジレンマになっています。

 そこで、鳥取に住む私たちからの言葉は、「新型のコロナウイルス対策を万全にして、鳥取県に遊びに来てください」となります。

 また、事業者側が徹底してお客様に対する予防の推奨を行う必要もあることでしょう。

 こまめに手洗いをすることやマスク、アルコール消毒をして、鳥取県の魅力に浸って頂けたらと思います。

 今、正に大変な時期です。東京オリンピック等、様々なイベントが中止や延期になっていますが、新型のコロナウイルスに鳥取県も負けないように対策をしていきましょう。

 2020年3月31日現在、感染者の出ていない県は鳥取県を含めて5県あります。最後まで、鳥取県からコロナウイルスの感染者が出ないことを祈っています。「コロナ感染者ゼロの鳥取県」を、一人一人の行動で目指しましょう!

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