V-RESASが公開
新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ日本の経済を可視化させる、「V-RESAS」が令和2年6月30日に公開されました。
V-RESASは、地方創生の様々な取組を情報面から支援するために、「内閣府地方創生推進室」と「内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局」が提供して、日本全国の経済状況を可視化しているWebサイトです。
全国または各都道府県の経済状況を表す指標としては以下のようなものが使われています。
人流
- 「滞在人口の動向」
飲食
- 「飲食店情報の閲覧数」
消費
- 「決済データから見る消費動向」
- 「POSで見る売上高動向」
宿泊
- 「宿泊者の分類ごとの宿泊者数」
- 「予約代表者の居住地ごとの宿泊者数」
イベント
- 「チケット販売数」
今回はV-RESASを使って、新型コロナウイルス感染症の鳥取県経済への影響を見ていきます。
新型コロナウイルス感染症の鳥取県経済への影響を可視化
先にご紹介した指標ごとに鳥取県のデータを順番に見ていきます。
滞在人口の動向
推定居住地ごとの前年同週比の推移(すべての時間帯)
鳥取県全体
鳥取駅
倉吉駅
米子駅
鳥取大学前駅
智頭駅
鳥取県全体で見ると、5月に前年比の-90%近くまで落ち込み、7月からはかなり昨年の数値に戻ってきています。
また、どのデータも市区町村内の人々の減少傾向は見られないようです。むしろ前年に比べて増加傾向にあるのは意外だったのではないでしょうか。
鳥取大学前駅の1月末と7月初めの県外人口の大きな伸びは、前者は鳥取大学生の卒業シーズンや春休みの移動で、後者は対面式授業の再開予定にともなった学生の県外からの移動と予測できます。
鳥取県東部の地域は新型コロナウイルスの感染者増加の傾向から今後のデータに大きな動きが予想されます。
飲食店情報の閲覧数
ジャンルごとの前年同週比の推移
鳥取県全体
鳥取県東部
鳥取県中部
鳥取県西部
冬季の鍋料理が前年に比べて増加したことは、昨年度の白菜の過剰供給による短期の価格低下など、色々な原因が予想できます。
鳥取県全体をみて、多くのジャンルの飲食店が5月に低迷している中、ファミレス・ファストフードだけがその影響をあまり受けなかったことはとても興味深いのではないでしょうか。
決済データから見る消費動向
業種別の前年同期比の推移
小売業
サービス業
小売業においては、やはりコロナ禍でのECは前年に比べて大幅に増加しています。鳥取県でもEC市場の拡大は見られたと思われます。
他にも、燃料小売り業、旅行サービスの低下や医薬品・化粧品小売り業の増加はコロナ禍で鳥取県にも確実にデータとして表れています。
POSで見る売上高動向
種別ごとの前年同週比の推移
変化の特徴的な品物
注目度の高い品物
POSの売上高を見ても、医療品の増加が見られます。変化の特徴的な品物では介護・衛生用品も増加しています。
宿泊者の分類ごとの宿泊者数
宿泊者の分類の前年同月比の推移
鳥取県全体
鳥取県東部
鳥取県中部
鳥取県西部
予約代表者の居住地ごとの宿泊者数
予約代表者の居住地ごとの前年同月比の推移(すべての宿泊者の分類)
鳥取県全体
鳥取県東部
鳥取県中部
鳥取県西部
宿泊者の分類ごとで見ても、予約代表者の居住地ごとで見ても、ほぼすべてが前年比で見ると-100%近くとなっています。
しかし、予約代表者の居住地ごとで見ると鳥取県東部の鳥取県内の人たちの前年比の数値-50%近くでとどまっています。
チケット販売数
イベントごとの前年同月比の推移
こちらは鳥取県だけではなく中国地方全体のデータではありますが、どのグラフを見てもわかる通り、ポップス、クラシックの「音楽」や、演劇、伝統芸能の「ステージ」などのジャンルに問わず、昨年に行われたものはほぼすべて、今年の3月に入って中止となっています。
最後に
V-RESASでは上記のデータが、原則1週間程度の頻度で更新を行っております。今後、どうなるのか要チェックです。
また、実際のWebサイトには、当サイトでは表しきれないほど細かい部分までデータを見ることができます。是非、鳥取県|V-RESASを一読下さい。
読者の皆さまが今回本記事で挙げましたデータ群を見て、どのように考察されたかは人それぞれだと思います。
是非、同じ鳥取県民で他の方達がどのように考察されたのかを話し合ってみてください。意見の共有がこれらのデータをより活きたものに繋げることができます。