キャッシュレス・ポイント還元事業が終了
2020年7月1日に一般社団法人キャッシュレス推進協議会(注)がホームページである発表をしました。それは、「キャッシュレス・ポイント還元事業は、2020年6月30日をもちまして終了しました。」という内容のものです。
キャッシュレス・ポイント還元事業とは、2019年10月1日から2020年6月末まで、対象店舗において、登録されたキャッシュレス決済でお支払いすると、最大で5%のポイント還元を受けられる事業のことです。
こういった国の後押しもあり、多くの人がキャッシュレス決済を利用するようになりました。鳥取県も今年に入って「Pay Pay」や「LINE Pay」、「楽天Pay」などのキャッシュレス決済を利用する方々やその対象店舗が増えたのではないでしょうか。
そのような利用者の多くがポイント還元に魅力を感じて利用されていると思います。しかし、ポイント還元事業が終了した今、利用者、サービス提供側の今後の動きがどうなっていくのか。今回はそのような内容について考えていきます。
(注) 一般社団法人キャッシュレス推進協議会は経済産業省が監督のもとで「キャッシュレス・消費者還元事業」を運営する組織です。
詳細はこちら「https://cashless.go.jp/consumer/」
求められる柔軟な政策
2019年10月からキャッシュレス・ポイント還元事業が開始されましたが、ポイント還元事業が始められた主な理由として、日本でキャッシュレス化を普及させることが挙げられます。
2020年に開催予定であったオリンピック・パラリンピックの開催に伴い、日本を訪れる外国人の数が増加すると予想されたため、海外で進んでいるキャッシュレス化を日本にも普及させることで、決済の効率化が図られました。
また、日本でキャッシュレス化の普及が進められる背景には、これから加速していく日本の少子高齢化があるのも事実です。少子高齢化に伴い労働力人口が減少していくため、決済の効率化や税収の増加、日本の経済を落ち込ませないために消費活動を活性化させる必要があるからです。
しかし、このポイント還元事業は2020年の6月いっぱいで終了しました。新型コロナウイルスの影響によって、現在、消費行動が落ち込んでいる状況となっています。そんな状況の中、消費者にとってお得なキャンペーンが終了したことで更に、消費行動が落ち込むことも考えられます。
生活必需品などをより手軽に買うことができるポイント還元事業が、この時期に終了するのは、家庭にとって大きな負担となる可能性も考えられます。
ポイント還元事業を始める当初、このような今の状況は予想できなかったと思います。しかし、各家庭で収入の減少などが起こっている今、国民一人一人に寄り添う柔軟な政策が求められているのではないでしょうか。
各社のキャンペーン
2020年の6月に国を挙げてのキャッシュレス・ポイント還元制度は終了しました。しかし、今後も様々な企業が独自のキャンペーンを随時行っていく模様です。
今後は各社のキャンペーンを上手く活用して、お得にお買い物をしていきたいですね。そこで、大手5社の7月から始まっているキャンペーンの概要をいくつか紹介していきます。
PayPay
LINE Pay
マイナポイントキャンペーン(7/1~8/25)
期間中にLINE Payでマイナポイントの申込みをすると、LINEポイントクラブのマイランクに応じてもらえる特典クーポンの獲得枚数に加え、ボーナスで毎月+5枚(3ヶ月間)プレゼントされます。
マイナポイントキャンペーンの詳細
楽天 Pay
楽天ペイのコード・QR払いでいつでも最大1.5%還元キャンペーン(7/1~)
楽天ポイント、楽天キャッシュを用いたコード・QR・セルフ払いに対し100円(税込)につき1ポイント(1%)が進呈されます。
また、楽天カードから楽天キャッシュへのチャージに対し、楽天カードから進呈する200円(税込)につき1ポイント(0.5%)と合算して、最大1.5%が還元されます。
楽天ペイのコード・QR払いでいつでも最大1.5%還元キャンペーン詳細
d払い
毎週おトクなd曜日キャンペーン(7/1~7/31)
キャンペーンにエントリーし、金・土曜日に対象サイトで「d払い」をご利用いただくと、購入金額の+2%のdポイントが進呈されます。
また、キャンペーン期間中の対象日に3サイト以上でお買物をすると購入金額の+3%(合計+5%)のdポイントが進呈されます。
エントリーはキャンペーン開催期間中に限りお買物前・後どちらでも有効となっています。 dポイントを利用したお買物に対しても同様にdポイントが進呈されます。
毎週おトクなd曜日キャンペーン詳細
auPay
この他にも、たくさんのキャンペーンを各社が実施しています。
それぞれのキャンペーンや特性を利用してキャッシュレス決済を上手く使いこなすことで、キャッシュレス・ポイント還元事業終了後もお得なお買い物ができるのではないでしょうか。
鳥取県の店舗もキャッシュレスを推進するべき理由
日本を挙げてキャッシュレスの普及が進む中、鳥取県の店舗でも今以上に積極的にキャッシュレス化を進めていくべきであると私は考えます。
その理由は、新型コロナウイルスによって現金を持ち歩く人が減る可能性が考えられるからです。その結果、近い将来、観光客が鳥取県に現金を持たずに来る可能性があるとも言えます。
お金は、いろんな人が直接触れる機会がとても多いです。そのため、コロナウイルス感染の危険があるとされ、日本でも現金を持たずに歩く人もいるそうです。
また現在、コロナの影響によって外国人の観光客は減少していますが、現金を持たずに観光に来る可能性が高いのは海外の方たちです。キャッシュレス化が進む海外では、そもそも現金を持ち歩く必要がないところもあります。
これらのことを踏まえ、アフターコロナの世界においてこれまで以上に現金を持ち歩かない人は増えるのではないかと考えます。そのため、キャッシュレスで決済ができなければ、「AirペイのCM」にもあるような機会損失が鳥取にも起きるのではないかと考えています。