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企業のイノベーションを担う「BTC人材」について

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「BTC人材」とは?

 「BTC人材」という言葉をご存知でしょうか?トヨタ自動車「e-Palette Concept」のプレゼンテーション設計や日本政府の地域経済分析システム「RESAS」のプロトタイピングなど数々の実績を持つデザイン・イノベーション・ファーム、Takramの代表取締役、田川欣哉(たがわきんや)さんの著書『イノベーションスキルセット』(大和書房)の中で登場する言葉です。

 変化の激しい時代にイノベーションを起こす人材像をBTC人材と紹介されています。本記事では、BTC人材の解説と本の一部を紹介させて頂きます!

BTC

 BTCとは、イノベーションを生み出す組織に必要な要素だと説明されています。BBusinessTTechnologyCCreativityの略称で、2020年代を生きる企業、エンジニア、ビジネスパーソンに必要とされる「イノベーション」を生むためのスキルです。

 また、この3つの領域を有機的に結合させることでプロダクトとブランド力を育てることができ、掛け合わせることで今までにない価値提供ができるということです。そして、BTCのスキルを持つ人材のことをBTC人材と言います。

イノベーションとは

 BTCがイノベーションを作るスキルなら、そもそもイノベーションとは何なのかを解説していきたい思います。イノベーションを簡潔に伝えると、「新結合による価値創造と社会浸透」です。「新結合」、「価値創造と社会浸透」の2つのポイントに分けてそれぞれ細かく解説していきたいと思います。

「新結合」:イノベーションは既存の枠組みの中では決して起こることはないとされています。業界の枠を飛び越えて別の業界との新しい結びつきをつくることが大切なのです。

 過去の産業革命からみてもわかる通り、第一次産業革命は機械の時代と言われいわゆる「ハードウェア」が開発の中心になって、第二次産業革命では機械に電力・電子という業界が追加され「ハードウェア+エレクトロニクス」が開発の中心となっていきました。

 ちなみに日本が世界で注目されているのはこの「ハードウェア+エレクトロニクス」です。)このように過去のイノベーションの例からもわかるように業界の越境とはとても大切なことなのです。

 「価値創造と社会浸透」:イノベーションは決して単なる技術開発だけではありません。ある革新的なアイデアを創造したとしても、それを広く世の中に浸透させて初めてイノベーションと言えるのでしょう。

次の時代へのイノベーション

 時代の変革には常にイノベーションがあり、現在は第四次産業革命と言われ、「ハードウェア+エレクトロニクス+ソフトウェア+ネットワーク+サービス」が開発の中心となっています。次の第五次産業革命のホットゾーンとなるのは「第四次産業革命+データ+AI」と言われています。

 今の日本が活躍している産業のほとんどは第二次産業革命で止まっていると言われています。そこから第四次の今の世界に追いつこうとするのは至難の業です。そこで「データ+AI」技術を発展させることでこれからの日本の成長につながると考えられます。

最後に

 日本にはイノベーション人材が今の10倍以上必要だと言われています。これからの鳥取のビジネスを成長させるには、このBTC人材を増やしていくことが最重要課題なのではないかと私は考えます。BTC人材が必要だ!と思われた方は、是非一度『イノベーションスキルセット』をお読みください。

参考書籍

『イノベーションスキルセット』(大和書房)

参考サイト

「Takram」

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