データで見る鳥取

高齢化率から推測する鳥取県の将来

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 全国の65歳以上の人口の割合は、歯止めなく高くなると予想されています。その中でも、都市規模によって高齢化率の増加速度に大きな差があることが分かりました。

 鳥取県の現在から、今後の高齢化率や他県と比べた高齢化が進む速度にどのような差があるのかを予測データを使って見ていこうと思います。

現在の鳥取県の高齢化率

 まずは、総務省のデータに基づいた鳥取県の高齢化率の現状をお伝えします。

 全国平均が30.1%に対して鳥取県は31.6%となっています。 全国で見ても町中で出会う人の10人に3人は高齢者であることが、今の日本の置かれている超高齢社会の状況です。

 その中でも鳥取県は、全国で15番目に高齢化率が高く、平成30年の時点で全国平均を多少ではありますが上回っています。

 TOTTORI BUSINESS ONLINEでは、過去に高齢者の制度重視に潜む問題を取り上げた「負のスパイラルによる鳥取県の高齢化」という記事も紹介していますので、是非チェックしてみてください。

鳥取県の老年人口の割合は他県ほど高くはならないかもしれない

 全国平均を上回る鳥取県の高齢化率ですが、歯止めのきかない人口減少、少子高齢化が問題視されている中、国立社会保障・人口問題研究所によって令和27年(2045年)における全国の高齢化率について次のような予想結果がでました。

 全国で、15番目に高齢化率が高い鳥取県が、令和27年(2045年)には、28位まで下がると予想されたのです。

 平成30年(2018年)の時点で、高齢化率は秋田県が最も多い36.5%で、沖縄県が最も少なく21.6%となっています。

 しかし、今後すべての都道府県の高齢化率は上昇して、36都道府県は現在の秋田県の高齢化率より高くなり、40%を超える都道府県は19もあると予想されています。

 そのような中で、鳥取県が38.7%で落ち着くと予想されたのはなぜでしょうか。

高齢化率が上昇しない原因は鳥取県の人口が関係?

 同じく国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」によると2015年を100とした都市規模別で見た老年人口(65歳以上人口)指数の推移は、次のような結果が予測されました。

※2015 年の人口を100 として、各年の人口を指数化

※「大都市」は、東京都区部及び政令指定都市を指します。

※3福島県は含まれていません。

 上の結果から、大半の規模の大きな都市の老年人口指数が大きくなる傾向とは逆に、「人口5万人未満の都市」は令和2年をピークに「老年人口指数が減少する」ことが分かります。

 鳥取県は都市と言える地域がそもそも少なく、鳥取市の人口は19万人米子市の人口は15万人、倉吉市の人口は5万人と、3都市で県内人口の8割りを占めています。倉吉市も人口5万人以下の年に分類され、人口の多い都市がそもそも少ないことから、令和27年における高齢化率の上昇が低くなると考えられます。

 しかし、あくまでも予想であるということはご理解ください。

最後に

 鳥取県の老年人口は今後、全国に比べて高齢化率がそれほど高くはない層に分類されていくと予想されることが分かりました。

 しかし、なによりも大切なことは若者を増やすことにあると思います。若い方への支援をより強くしていくことで、高齢化率の上昇速度を抑えつつ若者の減少率も抑えることができるのではないでしょうか。

 そして、その結果より魅力的な鳥取県へとなることができると考えています。

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